LiD/APDとは

「通常の耳鼻科で行われる聴力検査では異常がみられないにもかかわらず、日常生活において聞きとりの困難さを有する症状」とされています。
以前までは脳の中枢聴覚路において何らかの問題がある為に生じると考えられていた為、
聴覚情報処理障害( Auditory Processing Disorder=APD) と呼ばれていましたが
その後の研究の進展などにより、脳全体の様々な機能が関係しているとの考えが提唱され、
聞き取り困難(Listening Difficulties=LiD)という名称の方がより適切なのではないかという議論が提起されています。
日本国内でも現在議論されている事もあり、現時点では両方の名称を併記しています。 

基本的な支援

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①環境調整(他の人に配慮を頼む、会話する時の周辺環境そのものを変える等)
②補聴機器の使用(補聴器、ワイヤレス補聴援助システム等)
③聞き取りのトレーニング等

子どもへの支援

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①学校での配慮
・最前列の席や2~3列目等、本人が試してみて聞き取りやすく集中しやすい席を選ぶ
・椅子や机の脚に「脚カバー」を付けてガタガタ音を軽減する
②家庭での配慮
・会話の時はテレビや音楽を消したり、ボリュームを下げる
・水音で声が聞こえなくなるのを防ぐため、水道などは止めて話す
・椅子の脚にカバーをつける
・水槽等のある部屋は常に音が出ているので、会話をするスペースにはそれらを置かない

職場での支援

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・座席はエアコン、コピー機等から離れた場所にする、場合によればノイズキャンセリングイヤホン等を利用する
・口頭だけによる指示を避け、可能な限りメール等の文面で指示する
・会議等ではワイヤレス補聴援助システムの導入、文字起こしアプリ(UDトーク等)の活用を検討する
・オンライン会議には字幕表示、チャット欄も使用してのコミュニケーションを意識する